バーチャル展示 AI(人工知能)ってなんだろう?

2024.9.4

バーチャル展示 AI(人工知能)ってなんだろう?


AI(人工知能)とは

「AI」とは、「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略称です。
1956年にアメリカのダートマス大学で「人間の知能を機械によって模倣し、機械が人間のように思考や問題解決を行えるようにする」ための “ダートマス会議” が行われ、この中で「AI」という名称が生まれました。 簡単にいうと、「人工的につくられた知能」のことです。
学ぶ能力や考える能力、データをコンピュータやロボットに与えることで、人間のように認識・予測・判断・推論・提案などを行えるようになります。
最大の特徴は、自己学習能力を備えていることです。
人間が経験を積んで知識を蓄積するように、AIも自ら学習することで知識をさらに広げていくことが可能です。

「AI(人工知能)ってなんだろう?」AIのことや、AIの歴史についての入門資料

タイトル著者出版社出版年
AIが書いたAIについての本AI著フローラル出版2023年
人工知能の現代史 : 特集国立歴史民俗博物館, 橋本雄太, 澤田和人編国立歴史民俗博物館2022年
人工知能松原仁監修ニュートンプレス2022年
60分でわかる!AIビジネス最前線AIビジネス研究会著技術評論社2020年
絵でわかる人工知能 : 明日使いたくなるキーワード68三宅陽一郎, 森川幸人著SBクリエイティブ2016年

さて、今はまさに「第3次AIブーム」の真っ只中と言われています。
その前に、第1次・第2次ではどんなAIブームがあったのでしょうか?
第1次AIブーム


第1次AIブームは「AI」という言葉を生んだダートマス会議が開催された、1950年代後半から1960年代にかけてを指します。
ブームの背景にあったのは、コンピューターによる「推論」と「探索」が可能になり、特定の問題に対して解答を導き出せるようになったことです。
しかし、当時のAIが対応できたのは、明確なルールや定義付けがある問題に限定されていました。
現実社会で起こっているさまざまな要因が複雑に絡み合う課題の解決には対応できないことが判明したことで、AIブームは徐々に下火になり、1970年代には冬の時代(停滞期)を迎えてしまいました。
第2次AIブーム


第2次AIブームが到来したのは、1980年代~90年代。
「エキスパートシステム」の誕生により「知識表現」が可能になったことが大きな要因です。
エキスパートシステムは、「○だったら×をしなさい。それ以外の場合は△しなさい」というようなルール群で知識を構成している人工知能のことです。
自分で学習する仕組みはありませんが、あらかじめ専門家が考え得る限りの状況を予測して対処方法や判断を用意することで機能します。
ルールが多ければ多いほど正確性は向上しますが、必要となる情報をすべて人の手でコンピューターに理解させなければならず、実際に活用できるのは特定の領域の情報などに限定されたものばかりでした。
このように活用できる知識量に限界が見えたことから、1995年頃からAIは再び冬の時代を迎えました。

第2次AIブームまでについての関連資料

タイトル著者出版社出版年
人間がサルやコンピューターと違うホントの理由 : 脳・意識・知能の正体に科学が迫るジェームス・トレフィル著 ; 家泰弘訳日本経済新聞社1999年
人工知能と人間長尾真著岩波書店1992年

第3次AIブーム

第3次 AIブームは2000年代から始まり、現在にかけてもその渦中にあります。

ブームの要因を作ったのは、AI自身が大量のデータ(ビッグデータ)から知識を獲得する「機械学習」の実用化が進んだことです。
さらに、2006年には知識を定義する要素(特徴量)をAIが自ら習得するディープラーニング(深層学習)が提唱され、ブームに拍車をかけました。
さらに2022年以降、機械学習やディープラーニングの技術を用いて新しい画像を生成する「画像生成AI」や、 人との自然なコミュニケーションや文章の自動生成、要約、情報収集などができる「ChatGPT」の登場により、 専門的な知識を持っていなくても活用できるAIが世界中で急速に普及し始めています。
AI(人工知能)の種類とは

AIの種類には、大きく分けて「特化型AI」と「汎用AI」の2つが存在します。

1つのタスクに特化した「特化型AI
1つの機能を専門として、特定の決まった作業を行う人工知能のことを言います。
1つのタスクにのみ特化しており、特化型であるため、他のタスクを行えません。
代表的な特化型AIには、AlphaGo(囲碁AI)やPonanza(将棋AI)があります。

集積したデータで思考して応用できる「汎用型AI
汎用AIは特化型AIと異なり、集積したデータをもとにAIがみずから考え応用できるのが特徴で、AGI(Artificial General Intelligence)とも呼ばれます。
現状では技術が成熟しておらず、今のところ「完全な」汎用型AIは存在していません。

「完全」には到達していないですが、近年目まぐるしい発達を遂げている、テキスト自動生成や画像自動生成などが可能な「生成AI」は「汎用型AI」の特徴を断片的に持っており、この生成AIに代表されるサービスがOpenAI社の「ChatGPT」です。
ChatGPTは言語モデルに特化しているという点では「特化型AI」と言えるかもしれませんが、幅広い領域におけるタスクを処理できるようになりつつある現在では、汎用型AIにも一部含まれていると言えるでしょう。
※ただしChatGPT自身に「あなたはAGI(汎用型AI)ですか?」と聞くと、否定されます。
(2024年8月30日現在)

生成AI(ChatGPTなど)についての関連資料

タイトル著者出版社出版年
実践生成AIの教科書 : 実績豊富な活用事例とノウハウで学ぶ日立製作所Generative AIセンター監修リックテレコム2024年
AI仕事革命 : ChatGPTで仕事を10倍効率化谷口恵子著リチェンジ2023年
ChatGPT : 対話型AIが生み出す未来古川渉一著 ; 酒井麻里子聞き手インプレス2023年

生成AIの進化



生成AIの進化は、雇用や教育に大きな変化をもたらしています。これからの時代に備えるためには、以下のような考えを持つことが重要です。

雇用の変化に対する考え方
スキルの進化: 生成AIが普及することで、多くのルーチン作業や単純なタスクは自動化されます。
再スキルとアップスキル: 技術の進歩に適応するために、再スキル(再教育)やアップスキル(追加学習)が不可欠です。
新しい職種の創出: AIの発展は、新しい職種や産業を生み出す可能性があります。

教育の変化に対する考え方
カリキュラムの更新: 生成AIの影響を受けて、教育カリキュラムも進化が必要です。
生涯学習の重要性: 技術の進化が速いため、学び続ける姿勢が重要です。
実践的な学び: 理論だけでなく、実践的なスキルを重視する教育が求められます。

生成AIがもたらす変化に適応するためには、スキルのアップデートや新しい学習機会の追求が必要です。 未来の雇用市場では、柔軟性や創造性が重要になり、教育もその変化に合わせて進化していくでしょう。 自らのスキルを常に磨き続け、新しい技術や知識を積極的に取り入れる姿勢を持つことが、これからの時代において成功する鍵となります。

AI(人工知能)と雇用等に関する関連資料

タイトル著者出版社出版年
教養としての生成AI清水亮著幻冬舎2023年
ChatGPTエフェクト : 破壊と創造のすべて日経ビジネス編 ; 日経クロステック編 ; 日経クロストレンド編日経BPマーケティング2023年
AIビジネス大全秋元一郎編著 ; AIビジネス大全執筆チーム著プレジデント社2022年
デジタル未来にどう変わるか? : AIと共存する個人と組織上田恵陶奈 [ほか] 著日経BPマーケティング 2021年
10年後に食える仕事食えない仕事 : AI、ロボット化で変わる職のカタチ渡邉正裕著東洋経済新報社2020年
文系AI人材になる : 統計・プログラム知識は不要野口竜司著東洋経済新報社2020年
人工知能の経済学 : 暮らし・働き方・社会はどう変わるのか馬奈木俊介編著ミネルヴァ書房2018年
入門AIと金融の未来野口悠紀雄著PHP研究所2018年
クラウドからAIへ : アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場小林雅一著朝日新聞出版2013年

AI(人工知能)教育の変化等についての関連資料

タイトル著者出版社出版年
教育AIが変える21世紀の学び : 指導と学習の新たなかたちウェイン・ホルムス, マヤ・ビアリック, チャールズ・ファデル著 ; 関口貴裕編訳 ; 東京学芸大学大学院・教育AI研究プログラム訳北大路書房2020年
AIに負けない子どもを育てる新井紀子著東洋経済新報社2019年
AI vs.教科書が読めない子どもたち新井紀子著東洋経済新報社2018年
ロボット化する子どもたち : 「学び」の認知科学渡部信一著大修館書店2005年

AI依存について

生成AIの利用が広まる中で、依存することによる危険性はいくつかあります。


クリティカル・シンキング(ある考えについて前提となる事実を明らかにしながら、多角的・論理的に考える思考法)の欠如
プライバシーとセキュリティのリスク
創造性の減退
職業能力の喪失
倫理的・社会的な問題……など。

生成AIの利用は便利で効率的ですが、依存しすぎるとさまざまなリスクが伴います。
自分の能力や判断力を維持し、プライバシーやセキュリティに注意を払いながら、AIを賢く活用することが重要です。
AIはあくまで補助的なツールとして利用する姿勢が大切です。

AI(人工知能)の危険性や留意点等について関連資料

タイトル著者出版社出版年
チャットGPTvs.人類平和博著文藝春秋2023年
AIはすべてを変えるマーティン・フォード著 ; 松本剛史訳日経BPマーケティング2022年
AIは人類を駆逐するのか? : 自律世界の到来太田裕朗著幻冬舎2020年

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